Eternita
日々の愚痴・妄想小話駄々漏れの場所。 内容はさしてないです....
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彩雲国 双花+劉輝
続き、かもしれないです(昔の)
私ってどうしてこう、双花だと暗雲立ちこめたがるのか・・・。
続き、かもしれないです(昔の)
私ってどうしてこう、双花だと暗雲立ちこめたがるのか・・・。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
― 綺麗だね、
― 君といると、私が犯してきた罪さえ澄みわたって見えるよ・・・
「・・・しんどそうだな、楸瑛。」
ひそやかに、遠慮がちに聞こえてきた言葉は以外にもすんなり自分の中に入っていった。
(ああ、そうですね。)
少々難有りの(と自分でも思う)性格をしている私でも、すんなりとうなずける。
・・・・・つまり、それほど思考回路が休養を欲しているわけで。
「そう、見えますか?」
「うむ・・・・なんだか、げっそりというかがっくりというか、・・」
歯切れ悪く、しかし全く遠慮なしにズバズバと言ってくる主上にもっぱら今は当たりすぎて苦笑しか返せなかった。
(そこまで分かり易かった、つもりはなかったのだけど)
やはりこの方は侮れない、
決して軽く見ているわけではないが、それでも普段のほうけっぷりについつい彼の本性を見失ってしまう事も、結構あったりする。
本人、別に意識してやっているわけではないのだろうが。
(私にはそちらの方が厄介、なのかなぁ)
捻くれた思考回路しか持ち合わせていない人間に、彼のような純粋真一文字型の人間は、どうも苦手な部類に入ってしまうらしい。
「絳攸も、心配していたのだ。」
「えっ?」
(まさか、)
聞こえてきた絶対にあり得なさそうな言葉に思わず素で否定してしまった。
結構傷つく事だが、あの絳攸が怒りはすれどやる気のない私を気にかけるところなど想像できない。というか、もしそんな事があったら、逆に私の方が彼を心配してしまう。
「ほ、本当だぞ!」
私の疑いの気配を感じたのか、勢いきって念押しをされる。
「え、ああはい、そうですか。」
そうとしか、言いようがない。
そんな事、本人にしか理解不能な領域だ。
「何を騒いでいるんだっ!貴様ら!仕事は終わったんだろうな!?」
と、タイミングがいいのか悪いのか、この場の主人公が私達が今まで故意に考えないようにしていた事に触れてくれた。
(うーん、君ってこういう事にはホント鼻が良いよねぇ)
正確な道、という点では全くどころかマイナスの面しか持っていない割に、
こうした予感はことごとく当たる。
「絳攸、君って本当に謎多き人だよね。」
「はっ!?何を訳の分からないことを言っている!仕事はどうしたっ!?」
そう言いながら彼が手にしているのは、
ぶん投げれば間違いなく人一人昏倒させられそうな分厚い本二冊。
(分かっているのなら、敢えて訊く必要はあるのかい?)
思っては言わない、それがこの場での鉄則だ。
これ以上、隅で縮こまっている主上に怖い思いをさせるわけにはいかないし、それに・・・。
「もうそろそろだよ、ねぇ主上。」
「そ、そっうなのだ」
「ほぉ~、ではさっさと片づけてもらえるか?俺はこれからまだまだする事があるんだ。」
お前らに一々構っている暇はない!!
言い切ったと同時に荒く肩で息をする親友に、自分を心配してくれている影など微塵も見あたらない。
目にはめらめらと職務への情熱のみが輝いている。
「そうはいうけれどね、絳攸。人間誰しも休息は必要だよ。どんな人にでも、ね。」
「・・何が言いたい。」
「ん?いや、ただ休息、まあ睡眠とね。
しっかりとっていないと稀に訳の分からない事を喋り出す人がいるとかいないとか。」
まったくもって根拠のない(目に前にいる事にはいるが)事を並び立てた後、
にっこりと笑いかければ目の下に濃いクマを貼り付けた親友は、ものの見事に固まっていた。
「楸瑛、」
「なんです主上?」
「い、いやなんでもないぞ!」
慌ててこちらから目を外したのは、後にそれほどまでに顎を上げた絳攸の顔が恐ろしかったから、だと判明した。
「・・・・・・・・楸瑛。」
「ああ、良かった絳攸。復活したね。」
「貴様っ・・・!!もう一度訊いてやる、・・何が言いたい?」
「おや?聞いていなかったのかい?適度な睡眠は、―――」
「お前にだけは言われたくないわ!年中色惚け常春頭男!!」
(これはまた、酷い言われようだねぇ)
「だいたい貴様が呆けているから未だに書類が終わらないのだろうがっ!!!」
「絳攸、それはいくら何でもこじつけだよ。」
呆けてはいたが、絳攸へのちょっかいなら、少しはかけたが、
主上の執務に影響を与えたりはしていない。
「・・・っ!!もういい!とにかく次来る時までに終わらせておいてくださいね!?」
最後に主上を一睨みし、来た時と同じく台風のように去っていった。
「ちゃんと吏部まで行けるのかな、・・・ん、主上?」
「へ、あ、そろそろ休憩は終わりなのだな。」
どこかうやむやにされたように感じたのは気のせいか。
(絳攸も、主上も、・・なーにか隠しているような感じがするね、)
何かは、まだ分からない。
分からなければ、聞き出せばいい。
― この日の私は、まだ自分の愚かな過ちに気づけずにいた
― それが何よりも最悪な事だとすら分からずに・・・
― 君の瞳の中だけを、ただ望んで。
― 綺麗だね、
― 君といると、私が犯してきた罪さえ澄みわたって見えるよ・・・
「・・・しんどそうだな、楸瑛。」
ひそやかに、遠慮がちに聞こえてきた言葉は以外にもすんなり自分の中に入っていった。
(ああ、そうですね。)
少々難有りの(と自分でも思う)性格をしている私でも、すんなりとうなずける。
・・・・・つまり、それほど思考回路が休養を欲しているわけで。
「そう、見えますか?」
「うむ・・・・なんだか、げっそりというかがっくりというか、・・」
歯切れ悪く、しかし全く遠慮なしにズバズバと言ってくる主上にもっぱら今は当たりすぎて苦笑しか返せなかった。
(そこまで分かり易かった、つもりはなかったのだけど)
やはりこの方は侮れない、
決して軽く見ているわけではないが、それでも普段のほうけっぷりについつい彼の本性を見失ってしまう事も、結構あったりする。
本人、別に意識してやっているわけではないのだろうが。
(私にはそちらの方が厄介、なのかなぁ)
捻くれた思考回路しか持ち合わせていない人間に、彼のような純粋真一文字型の人間は、どうも苦手な部類に入ってしまうらしい。
「絳攸も、心配していたのだ。」
「えっ?」
(まさか、)
聞こえてきた絶対にあり得なさそうな言葉に思わず素で否定してしまった。
結構傷つく事だが、あの絳攸が怒りはすれどやる気のない私を気にかけるところなど想像できない。というか、もしそんな事があったら、逆に私の方が彼を心配してしまう。
「ほ、本当だぞ!」
私の疑いの気配を感じたのか、勢いきって念押しをされる。
「え、ああはい、そうですか。」
そうとしか、言いようがない。
そんな事、本人にしか理解不能な領域だ。
「何を騒いでいるんだっ!貴様ら!仕事は終わったんだろうな!?」
と、タイミングがいいのか悪いのか、この場の主人公が私達が今まで故意に考えないようにしていた事に触れてくれた。
(うーん、君ってこういう事にはホント鼻が良いよねぇ)
正確な道、という点では全くどころかマイナスの面しか持っていない割に、
こうした予感はことごとく当たる。
「絳攸、君って本当に謎多き人だよね。」
「はっ!?何を訳の分からないことを言っている!仕事はどうしたっ!?」
そう言いながら彼が手にしているのは、
ぶん投げれば間違いなく人一人昏倒させられそうな分厚い本二冊。
(分かっているのなら、敢えて訊く必要はあるのかい?)
思っては言わない、それがこの場での鉄則だ。
これ以上、隅で縮こまっている主上に怖い思いをさせるわけにはいかないし、それに・・・。
「もうそろそろだよ、ねぇ主上。」
「そ、そっうなのだ」
「ほぉ~、ではさっさと片づけてもらえるか?俺はこれからまだまだする事があるんだ。」
お前らに一々構っている暇はない!!
言い切ったと同時に荒く肩で息をする親友に、自分を心配してくれている影など微塵も見あたらない。
目にはめらめらと職務への情熱のみが輝いている。
「そうはいうけれどね、絳攸。人間誰しも休息は必要だよ。どんな人にでも、ね。」
「・・何が言いたい。」
「ん?いや、ただ休息、まあ睡眠とね。
しっかりとっていないと稀に訳の分からない事を喋り出す人がいるとかいないとか。」
まったくもって根拠のない(目に前にいる事にはいるが)事を並び立てた後、
にっこりと笑いかければ目の下に濃いクマを貼り付けた親友は、ものの見事に固まっていた。
「楸瑛、」
「なんです主上?」
「い、いやなんでもないぞ!」
慌ててこちらから目を外したのは、後にそれほどまでに顎を上げた絳攸の顔が恐ろしかったから、だと判明した。
「・・・・・・・・楸瑛。」
「ああ、良かった絳攸。復活したね。」
「貴様っ・・・!!もう一度訊いてやる、・・何が言いたい?」
「おや?聞いていなかったのかい?適度な睡眠は、―――」
「お前にだけは言われたくないわ!年中色惚け常春頭男!!」
(これはまた、酷い言われようだねぇ)
「だいたい貴様が呆けているから未だに書類が終わらないのだろうがっ!!!」
「絳攸、それはいくら何でもこじつけだよ。」
呆けてはいたが、絳攸へのちょっかいなら、少しはかけたが、
主上の執務に影響を与えたりはしていない。
「・・・っ!!もういい!とにかく次来る時までに終わらせておいてくださいね!?」
最後に主上を一睨みし、来た時と同じく台風のように去っていった。
「ちゃんと吏部まで行けるのかな、・・・ん、主上?」
「へ、あ、そろそろ休憩は終わりなのだな。」
どこかうやむやにされたように感じたのは気のせいか。
(絳攸も、主上も、・・なーにか隠しているような感じがするね、)
何かは、まだ分からない。
分からなければ、聞き出せばいい。
― この日の私は、まだ自分の愚かな過ちに気づけずにいた
― それが何よりも最悪な事だとすら分からずに・・・
― 君の瞳の中だけを、ただ望んで。
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