Eternita
日々の愚痴・妄想小話駄々漏れの場所。 内容はさしてないです....
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戦国バサラ
幸村×佐助。流血・残酷表現入りなのでお気をつけを。
なんだか、全然ネタが思いつかなくて、こんな文章に……
「我が名は真田幸村っ」
俺は叫ぶ。
「我こそはと思う者はかかってくるがよい!!」
猛りが聞こえる。
真田が旗印、お館様の武田が旗印、敵の旗印。風になびき翻る。
血が沸く、あまりの熱に震えた。
ぐつぐつと俺の中で煮立つ血は、武田が赤よりなお紅いのだろう。
俺は馬を駆る、先陣を切る。
「うぉぉおお゛お゛お゛ーーーーっ!!!」
俺は雄叫びを上げ、突進する。
直線の動きで敵の隊列を分断するのが、俺がお館様よりいただいた役目だ。
敵の真っ正面へつっこむ。
二槍を回転させ、隊の最前列にいる男に狙いを定める。
不気味な、しかし慣れすぎた音をたてて、男は後方へ吹っ飛び倒れる。
槍は正確に鎧を纏わぬ首の付け根に命中し、貫いた。
槍には、川を突き破り肉へ差し込んだ場所にのみ血が付いている。
轟音と叫び声と、何千の兵の命の音が戦場を包んでいる。
馬を駆り、槍を振るう。
四方から赤が迸り、その赤に乗って聞こえるはずのない断末魔が頭にこだまする。
構わず敵の中枢へ急ぐ。
途中、何度も割く隊列をかえる。
兵の塊を、小さく小さくばらばらにしてゆく。
後援の連中の負担を少しでも減らすのが、先陣きる将のお仕事だよ。
毎度、戦のたびに己が忍が俺に言い聞かせる。
そんな事はわかっている、と何度言っても聞き入れる事はない。
あれにとって、俺はいつまでも童であるのだろう。
その事に、怒りと焦燥を感じながら、いつも戦の夜を越える。
この陣の中枢が見えてきた。
他と違い、華美で丈夫そうな鎧を纏う無精の姿も見える。
俺はそこに、駆る速度をゆるめず突っ込む。
前以上の兵の数が押し寄せ、馬の足を止めようとする。
その者達に向かい、槍を突き降ろす。
肉より飛び出した血が、ぴちゃりと頬に飛んだ。
しかし、さすがにこれ以上の強行突破は無理だった。
俺はほんの少し馬の速度を弛め、乗っていた背から飛び降りた。
地面に足を着ける前に、槍を振るい、地上の兵を宙へ放る。
着地と同時に、空を舞う兵を地にたたきつけた。
俺の周りには、背骨を、首を、あるいは槍に内臓を抉られ、動かなくなった兵達が広がる。
この陣を指揮する将がこちらを見、顔を歪める。
俺は叫んだ。
「我が名は、武田家が家臣っ真田源二郎幸村!!!」
この光景をどこからか見ているだろう忍と、後方にて兵を指揮するお館様に届け。と、声を張り上げる。
「いざ!神妙に勝負っ!!!」
敵将を睨み据え、槍を構える。
じり、と一歩後ろへ下がった相手を見た瞬間、俺は走り出した。
「今日も大活躍だったねー旦那」
「佐助」
「やっほー」
木陰で休む俺の所へ、佐助が顔を出す。
そろそろ来る頃だと思っていた。
「どうであった?」
「うーん、だいぶ良くはなったけどね」
言葉を濁す佐助に、俺は顔をしかめる。
「はっきりせぬか」
「んじゃ、言わせてもらいますけど。あんた、まーた後ろの隊員の事考えてなかったでしょ」
「むっ」
「先陣切るのは良いよ。でも、隊長に置いてけぼられた奴らはどうすればいい?
もし、あんたが敵を分解し損ねてたら、格好の標的になって全員お陀仏だ」
「むぅ……」
言われてみれば、確かにそうだった。
佐助はいつも戦での俺の反省を促す。
俺様最強ー、なんて慢心した上司ほど厄介な者はないからねー。
笑って毒を吐いた佐助の顔が甦り、そうはなるまいと毎度心に誓うのだ。
「はいはい、落ち込まない。でも、今日の旦那は良かったよ。及第点!」
珍しく佐助が俺を褒める。
しかし、俺は童のように接してもらいたいのではない、佐助に認められ佐助を越えたいのに。
「某などまだまだ、遙かに至らぬ」
そう言い聞かせ、己を戒める。
佐助を見る、佐助は困ったような嬉しいような顔をしていた。
「佐助、某はどうしたらお前を越えられる?」
「うん?また変な事訊くね、旦那」
「そうか?どうなのだ」
強く尋ねる俺に、佐助は眉を八の字にし首を傾げる。
「うーん、既に俺様を越えてる、とは考えられない?」
「……その様な事、あるわけなかろう」
佐助は強い。
幾度となく勝負をし、しかし俺が勝ち得た事はなかった。
そうであるはずなのに、いったい佐助は何を言っているのか。
「某は強くなる、まだ足りぬ。もっと強くならねばならぬ」
「旦那……」
佐助が俺を呼ぶ。
俺の名ではないが、しかし忍がその言葉を発すると俺だけを意味するものとなる。
俺は、ぐいっと、手の甲で頬についた血痕を拭った。
「そうしたら、お前も某が守ってやるぞ。佐助」
その日のために、俺は強くなろうと決めたのだから。
俺は叫ぶ。
「我こそはと思う者はかかってくるがよい!!」
猛りが聞こえる。
真田が旗印、お館様の武田が旗印、敵の旗印。風になびき翻る。
血が沸く、あまりの熱に震えた。
ぐつぐつと俺の中で煮立つ血は、武田が赤よりなお紅いのだろう。
俺は馬を駆る、先陣を切る。
「うぉぉおお゛お゛お゛ーーーーっ!!!」
俺は雄叫びを上げ、突進する。
直線の動きで敵の隊列を分断するのが、俺がお館様よりいただいた役目だ。
敵の真っ正面へつっこむ。
二槍を回転させ、隊の最前列にいる男に狙いを定める。
不気味な、しかし慣れすぎた音をたてて、男は後方へ吹っ飛び倒れる。
槍は正確に鎧を纏わぬ首の付け根に命中し、貫いた。
槍には、川を突き破り肉へ差し込んだ場所にのみ血が付いている。
轟音と叫び声と、何千の兵の命の音が戦場を包んでいる。
馬を駆り、槍を振るう。
四方から赤が迸り、その赤に乗って聞こえるはずのない断末魔が頭にこだまする。
構わず敵の中枢へ急ぐ。
途中、何度も割く隊列をかえる。
兵の塊を、小さく小さくばらばらにしてゆく。
後援の連中の負担を少しでも減らすのが、先陣きる将のお仕事だよ。
毎度、戦のたびに己が忍が俺に言い聞かせる。
そんな事はわかっている、と何度言っても聞き入れる事はない。
あれにとって、俺はいつまでも童であるのだろう。
その事に、怒りと焦燥を感じながら、いつも戦の夜を越える。
この陣の中枢が見えてきた。
他と違い、華美で丈夫そうな鎧を纏う無精の姿も見える。
俺はそこに、駆る速度をゆるめず突っ込む。
前以上の兵の数が押し寄せ、馬の足を止めようとする。
その者達に向かい、槍を突き降ろす。
肉より飛び出した血が、ぴちゃりと頬に飛んだ。
しかし、さすがにこれ以上の強行突破は無理だった。
俺はほんの少し馬の速度を弛め、乗っていた背から飛び降りた。
地面に足を着ける前に、槍を振るい、地上の兵を宙へ放る。
着地と同時に、空を舞う兵を地にたたきつけた。
俺の周りには、背骨を、首を、あるいは槍に内臓を抉られ、動かなくなった兵達が広がる。
この陣を指揮する将がこちらを見、顔を歪める。
俺は叫んだ。
「我が名は、武田家が家臣っ真田源二郎幸村!!!」
この光景をどこからか見ているだろう忍と、後方にて兵を指揮するお館様に届け。と、声を張り上げる。
「いざ!神妙に勝負っ!!!」
敵将を睨み据え、槍を構える。
じり、と一歩後ろへ下がった相手を見た瞬間、俺は走り出した。
「今日も大活躍だったねー旦那」
「佐助」
「やっほー」
木陰で休む俺の所へ、佐助が顔を出す。
そろそろ来る頃だと思っていた。
「どうであった?」
「うーん、だいぶ良くはなったけどね」
言葉を濁す佐助に、俺は顔をしかめる。
「はっきりせぬか」
「んじゃ、言わせてもらいますけど。あんた、まーた後ろの隊員の事考えてなかったでしょ」
「むっ」
「先陣切るのは良いよ。でも、隊長に置いてけぼられた奴らはどうすればいい?
もし、あんたが敵を分解し損ねてたら、格好の標的になって全員お陀仏だ」
「むぅ……」
言われてみれば、確かにそうだった。
佐助はいつも戦での俺の反省を促す。
俺様最強ー、なんて慢心した上司ほど厄介な者はないからねー。
笑って毒を吐いた佐助の顔が甦り、そうはなるまいと毎度心に誓うのだ。
「はいはい、落ち込まない。でも、今日の旦那は良かったよ。及第点!」
珍しく佐助が俺を褒める。
しかし、俺は童のように接してもらいたいのではない、佐助に認められ佐助を越えたいのに。
「某などまだまだ、遙かに至らぬ」
そう言い聞かせ、己を戒める。
佐助を見る、佐助は困ったような嬉しいような顔をしていた。
「佐助、某はどうしたらお前を越えられる?」
「うん?また変な事訊くね、旦那」
「そうか?どうなのだ」
強く尋ねる俺に、佐助は眉を八の字にし首を傾げる。
「うーん、既に俺様を越えてる、とは考えられない?」
「……その様な事、あるわけなかろう」
佐助は強い。
幾度となく勝負をし、しかし俺が勝ち得た事はなかった。
そうであるはずなのに、いったい佐助は何を言っているのか。
「某は強くなる、まだ足りぬ。もっと強くならねばならぬ」
「旦那……」
佐助が俺を呼ぶ。
俺の名ではないが、しかし忍がその言葉を発すると俺だけを意味するものとなる。
俺は、ぐいっと、手の甲で頬についた血痕を拭った。
「そうしたら、お前も某が守ってやるぞ。佐助」
その日のために、俺は強くなろうと決めたのだから。
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