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Eternita

日々の愚痴・妄想小話駄々漏れの場所。 内容はさしてないです....

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彩雲国物語     絳攸(×楸瑛)+劉輝

絳攸が楸瑛に関してだけ記憶喪失物語。
設定なんてあってないようなもんなので、さらっと読み飛ばしてくれる方希望。。。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐





  ― 往くのか、

  ― うん。

  ― お前じゃなきゃ、いけないのか、

  ― わからない・・けれど、わたしが行きたいんだよ。



最近、よく夢を見る。
悪い夢じゃない良い夢でもない、訳の分からない夢。
ただその時の俺は、酷く切なくて叫びだしてしまいたくて悲しくて堪らない。
そして相手の顔が見えないことが歯痒くて、・・・・少し安堵する。
そこでいつも目が覚める。


「絳攸、」

「・・・何ですか?」

執務中だというのに物思いにふけっていた事に、舌打ちをしたくなった。
主上の手前、笑顔で返事をする。
案の定、とても不気味な物を見た、という感じの顔をされた。失礼な。

「吏部の仕事が忙しいのだろう?今日の分はそろそろ片づく。」

だから早めに切り上げてくれ。

心配です、と顔全面で表現している。
くすり、と思わず漏れてしまった苦笑を咳払いでどうにか隠して、大丈夫だと返した。

「だが、ものすごい隈だぞ!真っ黒だ。」

「真っ黒って何だ。・・・とにかく大丈夫です。
 このくらいで音を上げては、吏部ではやっていけませんからね。」

「・・・・。そういう問題ではないと思うのだが。」

「・・・・・・・・、」

確かに。
今の答えは問題のすり替えにすぎない。
そして、それをこの聡い青年が気づかないわけがない。

(でも、休むわけにはいかない。)

実際、肉体的にも精神的にもここ最近はかなりきつく参ってしまっている。
けれど、だからといって休息を取るわけにはいかなかった。
それこそ、完全な俺のエゴのために。

「体調管理くらい俺にもできます。・・一人でも。」

だからどうか見逃して。
目でそう訴える。
しばしの膠着状態。お互いの目を睨み合う。
先に白旗を揚げたのは、主上だった。

「・・・~~~っ!わかった、だがまずいと思ったらすぐ休むのだぞ!?」

「分かっている。俺を誰だと思っているんだ。」



休めないのは、疲れるため。
疲れてしんどくて、心も体も疲弊させるため。
自虐、ではない、・・・と思う。

理由は簡単。
疲労の中で眠りにつくと、あいつが現れるから。
夢の中の顔の見えない男が現れて、俺の真実に問い掛けてくる。
お前はそれで良いのか、と。

おかしな話だ。実際に奴に詰問しているのは俺の方なのに。(それはそれで訳の分からない事を喋っているし、)
妙に心のざわつく夢で、実際は疲れも何も取れていないのだろうけど。
あの男といると、自然とくつろいですっきりするから。

だから、今少し猶予が欲しい。
自分の中の欲に整理を付ける時間が欲しい、このままでは主上を始め多くの人に迷惑をかける結果になるだろうから。

  “―――――”

こびり付いて離れないかの人の名前が思い出せるまで。
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